産業廃棄物処理業のM&A費用・手数料|高額な設備資産を持つ企業が損をしないために
産業廃棄物処理業のM&Aを検討中の経営者様へ。仲介手数料の仕組み(レーマン方式、移動総資産ベース等の違い)から、環境調査費用、税金まで、M&A費用の全貌を解説します。
目次
「会社を売却すると、結局いくら手数料がかかるのか?」 「借入金が多いウチの場合、手元に現金は残るのだろうか?」
産業廃棄物処理業の事業承継やM&Aを検討し始めた際、費用の問題は最も気になるポイントの一つです。しかし、M&Aの費用構造は複雑で、仲介会社によって料金体系が全く異なります。特に、着手金の有無や、手数料率を計算する際の基準額の違いによっては、最終的な支払額に数千万円もの差が生じることも珍しくありません。
また、産廃業特有のコストとして、土壌汚染調査などの環境リスク対策費用も発生します。これらを総合的にシミュレーションしておかなければ、「思ったより手取りが少なかった」という事態に陥るリスクがあります。特に、焼却炉や最終処分場などの巨額な設備投資により借入金が多い産廃業者においては、手数料計算の落とし穴に注意が必要です。
本記事では、産業廃棄物処理業のM&Aにおけるコスト構造を徹底解説します。仲介報酬の仕組みから、無駄な出費を抑えるコツ、そして手取り額を最大化するための具体的なテクニックまで、経営者様が知っておくべき情報を網羅しました。大切な会社を適正なコストで引き継ぐための、賢い資金計画の参考としてご活用ください。
産業廃棄物処理業のM&Aにかかる費用の全体像
産業廃棄物処理業のM&Aにかかる費用は、大きく分けて以下の3つの要素で構成されています。
・M&A仲介会社への手数料:マッチングや交渉支援の対価として支払う報酬。
・専門家への実費:弁護士、会計士、環境コンサルタントなどへの調査・手続き費用。
・国・自治体への税金:売却益に対する所得税や法人税、消費税など。
産廃業のM&Aにおける最大の特徴は、一般的な業種に比べて設備規模が大きいことと、環境リスク対応が必要なことです。そのため、手数料計算の基礎となる金額が大きくなりやすく、また環境デューデリジェンス費用などの実費が発生します。
表面的な手数料率だけでなく、これらのコストを全て差し引いた後に、最終的に経営者の手元にいくら残るかをシミュレーションすることが重要です。
M&A仲介手数料の仕組みとレーマン方式
M&A仲介会社に支払う報酬は、業界標準としてレーマン方式と呼ばれる計算式が広く採用されています。
しかし、この方式を採用しているからといって、どの会社も同じ金額になるわけではありません。各社が設定している前提条件の違いにより、総支払額は大きく変動します。
報酬体系の4つの要素
一般的なM&A仲介会社の手数料体系は、以下の4つの名目で構成されます。
・着手金:契約締結時に支払う初期費用。50万〜200万円程度が相場。産廃M&Aは許認可の確認や環境リスクの精査に時間がかかるため、相手が見つからなくても返金されない「掛け捨て」のリスクがあります。
・中間金:基本合意書(MOU)を締結した時点で支払う費用。成功報酬の10〜20%程度を先払いします。
・月額報酬:コンサルティング料として毎月発生する定額費用。環境調査などで期間が延びがちな産廃M&Aでは、コストが嵩むリスクがあります。
・成功報酬:最終契約(成約)時に支払う費用。レーマン方式で算出された総額から、既払いの中間金などを差し引いた残額を支払います。
近年では、着手金や月額報酬を廃止し、成約時のみ費用が発生する完全成功報酬制を採用する仲介会社が増えており、経営者にとってのリスクを低減する流れが主流になりつつあります。
レーマン方式の基本計算
レーマン方式とは、取引金額の大きさに応じて手数料率が段階的に下がっていく仕組みのことです。一般的な料率テーブルは以下の通りです。
・取引金額の5億円以下の部分:5%
・5億円超〜10億円以下の部分:4%
・10億円超〜50億円以下の部分:3%
・50億円超〜100億円以下の部分:2%
・100億円超の部分:1%
例えば、取引金額が3億円であれば、3億円 × 5% = 1,500万円が手数料となります。ただし、次章で解説するように、この取引金額をどう定義するかによって、実際の手数料額は大きく変わるため注意が必要です。
産廃業者が陥る手数料の落とし穴
典型的な装置産業である産廃業にとって、最も警戒すべきなのが手数料の算出基準です。ここを間違えると、手取り額が大幅に減ってしまいます。
移動総資産ベースの危険性
レーマン方式の料率を掛ける対象として、移動総資産ベースを採用している仲介会社があります。
産廃業者は、焼却炉や最終処分場用地、収集運搬車両などの資産規模が大きく、それに見合う多額の借入金を持っている傾向があります。例えば、「総資産10億円、負債9億円、株式価値1億円」の会社を売却するとします。
移動総資産ベースの場合:
手数料は総資産10億円に対してかかります。(5億円×5%)+(5億円×4%)= 4,500万円
手取りは1億円しか入ってこないのに、手数料で4,500万円も取られてしまい、手元には半分程度しか残りません。これが手数料負けの状態です。
株式価値(譲渡対価)ベースのメリット
一方、株式価値ベースを採用している仲介会社の場合、計算は以下のようになります。
株式価値ベースの場合:
手数料は株式価値1億円に対してかかります。1億円 × 5% = 500万円
移動総資産ベースと比較して、手数料は9分の1で済みます。借入金の多い産廃業者にとっては、この方式が圧倒的に合理的です。
最低報酬額(ミニマムフィー)の設定
多くの仲介会社は、レーマン方式の計算結果に関わらず、最低限支払わなければならない最低報酬額を設定しています。
大手仲介会社などでは最低2,000万円といった設定が一般的です。もし、小規模な収集運搬業などで譲渡価格が5,000万円程度であったとしても、2,000万円の手数料が請求され、実質的な手数料率は40%にも達してしまいます。
ご自身の会社の規模感に見合った最低報酬額を設定している会社を選ぶことが重要です。
産廃M&A特有の実費と環境コスト
仲介手数料以外にも、産廃業界ならではの調査費用や行政手続き費用が発生します。
環境デューデリジェンスと土壌汚染調査費
買い手企業は、土壌汚染や地下水汚染のリスクを極端に恐れます。そのため、環境デューデリジェンスが実施されることが一般的です。
文献調査などの簡易調査であれば数十万円程度ですが、実際に土地を掘削して調べるボーリング調査が必要になった場合、その費用は数百万円〜一千万円規模になります。基本的には買い手負担で行われることが多いですが、売り手側がリスクを払拭するために自主的に事前調査を行う場合もあり、その費用は売り手負担となります。
行政書士費用と許認可申請手数料
M&A成立後の役員変更届や、事業譲渡を選択した場合の新規許可申請にかかる費用です。
特に事業譲渡で新規許可を取得する場合、事前協議や住民説明会の開催費用、専門家への報酬など、目に見えないコストと時間がかかります。これらもトータルコストの一部として認識しておく必要があります。
最終処分場の維持管理積立金
最終処分場を保有している場合、法律により、埋め立て終了後の維持管理に必要な費用を積み立てることが義務付けられています。
M&Aの際、この積立金が適正に積み立てられているかがチェックされます。もし不足がある場合、それは将来の負債とみなされ、事実上のコストとなります。
会社売却にかかる税金(譲渡所得税・法人税・消費税)
M&Aで利益が出た場合、必ず税金がかかります。スキームによる違いを理解しておくことが重要です。
株式譲渡の場合(所得税・住民税)
個人株主が株式を売却して得た利益に対し、一律で約20%が課税されます。
これは分離課税であるため、金額の多寡にかかわらず税率が一定です。数億円、数十億円規模の産廃M&Aにおいても税率が上がらないため、手取りメリットが大きくなります。
事業譲渡の場合(法人税・消費税)
法人が事業を売却した場合、売却益に対して約30%〜34%の実効税率で法人税が課税されます。
さらに注意が必要なのは消費税です。設備や建物の譲渡には消費税が課税されます。例えば5億円の焼却炉を売却する場合、消費税だけで5,000万円のキャッシュアウトが発生します。土地は非課税ですが、建物や設備比率が高い産廃業では大きな負担となります。
産廃業者が選ぶべきM&A相談先と費用対効果
誰に頼むかでコストパフォーマンスは決まります。専門知識の有無が、無駄なコストを防ぎます。
地元金融機関や税理士
地元の金融機関や税理士は相談しやすい相手ですが、M&Aの実務に関しては、提携する外部の仲介会社を紹介されるケースが多くあります。その場合、紹介料や外部の手数料が発生し、トータルコストが高くなる可能性があります。
また、環境リスク評価の専門性がない場合、リスクを過大に見積もられて安値で売却してしまったり、逆にリスクを見落として破談になったりする機会損失コストが高くなるリスクがあります。
M&A仲介会社(環境ビジネス特化)
M&A仲介会社は手数料が発生しますが、産廃施設の価値を正しく評価できる専門家を選べば、高い投資対効果が得られます。
許可の希少性やリサイクル技術を正当に評価し、資金力のある大手企業とマッチングできれば、手数料以上の増額が狙えます。手数料を払ってでも、高く確実に売るという戦略においては、最も合理的な選択肢です。
M&A総合研究所の料金体系が産廃業者に適している理由
M&A総合研究所は、装置産業である産廃業者の特性に合わせた、合理的でリスクのない料金体系を採用しています。
譲渡対価ベース(株式価値ベース)の手数料
前述した通り、M&A総合研究所の手数料計算は、負債を含まない株式価値を基準にする方式を採用しています。
これにより、大規模な設備を持ち借入金の多い産廃業者様でも、他社と比較して手数料が数百万円から数千万円単位で安くなるケースが多々あります。オーナーの手取りを最大化するという理念に基づいた設定です。
(URL: https://masouken.com/ )
完全成功報酬制(着手金無料)
「土壌汚染が見つかったらどうしよう」という不安を持つ経営者様のために、完全成功報酬制を採用しています。
着手金や中間金は一切無料です。もし環境DDの結果、破談になったとしても、費用は1円もかかりません。金銭的なリスクを負うことなく、安心してご相談いただけます。
産廃業界に精通した専門チーム
産廃業界のM&A支援実績が豊富な専門チームが担当します。
許可の種類や施設の価値を深く理解しているため、効率的なマッチングを実現し、無駄な調査費用や期間を削減します。スピーディーな成約は、ランニングコストの削減にもつながります。
産業廃棄物処理業のM&A成功事例
適切なパートナーを選び、費用対効果の高いM&Aを実現した産廃業者の事例をご紹介します。
【宮城県・廃棄物処理】株式会社築館クリーンセンター|設備投資負担を解決
宮城県の産業廃棄物中間処理・リサイクル企業、株式会社築館クリーンセンターの事例です。老朽化した設備の更新投資が重荷となっていましたが、資金力のある投資ファンドへ株式を譲渡することで解決しました。
仲介手数料は発生しましたが、それ以上に将来の巨額な設備投資コストを回避し、ファンドの支援を受けて事業を成長させる道を選びました。目先のコストよりも、将来のリスク回避と成長リターンを重視した、賢明な投資判断と言えます。
手取り額を最大化するためのテクニック
最後に、手数料だけでなく、税務面での工夫で手取りを増やす方法を解説します。
役員退職金の活用
株式譲渡において、オーナー経営者の手取り額を合法的に増やす有効な手段として、役員退職金の活用があります。
M&Aの譲渡代金の一部を、会社から支払われる退職金という形で受け取る方法です。退職所得は税制優遇が大きいため、株式譲渡益として受け取るよりも、税負担が軽くなります。産廃業の創業者は勤続年数が長く、功績倍率も認められやすいため、退職所得控除のメリットを最大限活かすことができます。
事前磨き上げによるリスク開示
環境リスクやコンプライアンス状況を事前に整理・開示しておくことで、買い手のリスクプレミアムを抑制し、適正価格での売却を目指します。
「リスクがあるかもしれない」という不透明さが、最も価格を下げます。事前に調査し、「ここは大丈夫、ここはリスクがある」と明確にすることで、買い手は安心して適正な価格を提示できます。
まとめ
産業廃棄物処理業のM&Aは、設備や借入金の規模が大きいため、手数料体系や税金の知識が手取り額に直結します。
着手金無料でリスクを抑え、株式価値ベースで手数料の無駄を省き、さらに退職金活用で税金を圧縮する。これらの知識を組み合わせることで、手元に残る資金は大きく変わります。M&A総合研究所のような透明性の高い料金体系を持つ専門家を活用し、賢く、そして最大限の成果を得られるM&Aを実現してください。
まずは無料の簡易算定で、自社の価値と費用の概算を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
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